実践ユースケース
このサイトの他のガイドはサブシステム単位で並んでいます。ミキサー、アシスタント、プロセッサ群と、機能ごとに 1 ページずつという構成です。このセクションはその逆で、読み手が実際に抱えている作業単位で並べています。素材ファイルから納品物までを 1 つの実作業として通し、そのまま実行できるスクリプトと、各ステップが何を決め、その出力が何を意味するのかを解説します。
掲載しているコマンドはすべて現行エンジンに対して実行し、示している数値はそのとき出力されたものです。
作業から選ぶ
| 手元にあるもの | やりたいこと | ページ |
|---|---|---|
| ステムのフォルダ | 配信プラットフォームに出せるマスター | CLI だけでミックスからマスタリングまで |
| 自分のミックスと、目標にしている市販曲 | 音色とラウドネスを参照曲と同じ土俵に乗せる | リファレンス曲に寄せる |
| 納品直前のマスター | CI で回る合否判定 | 納品前チェックを CI で回す |
| 荒い録音素材の山 | 整音済みのテイクと、何が問題だったかの記録 | 録音素材をまとめて整音する |
| ホスト・ゲスト・BGM | ダッキング済みでラウドネス規定を満たした 1 話 | トーク番組を仕上げる |
| 練習中の曲 | 減速・移調・パート分離した練習用トラック | 練習用トラックを作る |
前提
各手順は Python CLI(pip install libsonare)を使います。1 つの作業がまるごとシェルスクリプトに収まるのがこの CLI だからです。その性質のうち 2 つがすべてのページに影響するので、先に押さえておいてください。詳細は CLI リファレンス にあります。
- 2 つの CLI でコマンドは揃っていません。シーンミキサー(
mix)、プリセット駆動のmasterとmastering-chain、declipは Python CLI 専用です。逆に低レベルなメータリング系(meter、clipping、phase、stereo、dynamic-range)はネイティブ CLI 専用です。どちらの CLI を使うか を参照してください。 - ほとんどのコマンドはモノラル前提です。ミキシングとマスタリングはステレオペアを最後まで保ちますが、計測系のコマンドの多くはモノラルにダウンミックスし、その旨を標準エラー出力に出します。各ページでラウドネスを別途
lufsで測らずマスタリングレポートから読んでいるのはこのためです。ステレオとモノラルの扱い を参照してください。
すべてのコマンドが --json を受け付け、失敗はすべて終了コードに対応づけられています。これらの手順が「打てる」だけでなく「スクリプトに組める」のはそのためです。
スクリプトではなく API を使う場面
UI やプラグイン、リアルタイム処理に行き着くユースケースは、シェルスクリプトではなく API の領分です。JavaScript API、Python API、C++ API から始めてください。考え方は同じで、このセクションの各ページからも要所で対応するガイドへリンクしています。