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エラー復旧 ​

マスタリングデモでの失敗は、おおむね 3 種類です。ブラウザがファイルをデコードできない、レンダリングがその端末には重すぎる、設定としては有効でも音楽的に合っていない、のどれかです。

デモのエラーハンドリングはローカルで完結します。フォールバックのためにファイルをサーバーへ送ることはありません。

ファイルが読み込めない ​

WAV・MP3・FLAC・OGG など、ブラウザがデコードできる別形式を試してください。ブラウザ側のデコードサポートは OS やビルドによって差があります。

ソースが長尺なら、短く切り出したファイルで試すと、形式の問題なのかメモリや処理時間の問題なのかを切り分けられます。

レンダリングが失敗する ​

レンダリングは Web Worker 上で動きますが、CPU・メモリ自体は端末のものを使います。長いファイル・高いサンプルレート・リペア多めのプリセットは時間がかかります。

次の順で試します。

  1. 短いセクションでチェーンが動くかを確認する。
  2. リペア強度を下げる、もしくは無効化する。
  3. Pop や Acoustic など軽めのプリセットを使う。
  4. 重いタブを閉じる。
  5. 成功したらレポートを書き出して設定を失わないようにする。

結果が不自然に聞こえる ​

マスターが悪く聞こえるときは、処理をさらに足し続けないでください。意味のある最小の動きまで戻します。

悪くなったら、足すのではなく引く

悪いマスターをさらなる処理で直そうとすると、たいてい問題が深まります。良く聞こえた直近の状態まで戻し、小さな変更を 1 つだけ加えて、また確認します。

症状まず見る調整
ハーシュ/シャリつくAir バンド量またはエキサイター量を下げる。
平坦/生命感がないスレッショルドを上げる、レシオを下げる、またはアタックを遅くする。
ポンピングするリリースを遅くする、もしくはコンプレッションを減らす。
狭い/位相っぽいステレオ幅を下げ、相関値を確認する。
ピークが歪むラウドネス目標を下げる、もしくはリミッターへの負担を減らす。

ミックスに戻るべきケース ​

マスタリングでミックスの問題をすべて直すことはできません。ボーカルが埋もれている、キックとベースがぶつかっている、マスタリング前からステレオイメージが崩れている、といった場合は、先にミックスに戻って直します。マスタリングチェーンは再生互換性(さまざまな再生環境での聴こえ方)を改善できますが、上流の問題を救済する道具ではありません。

実装メモ

UI 側では、ローカルのエラーとワーカー由来のエラーを分けて扱っています。

処理実行場所
ファイルデコードブラウザの AudioContext.decodeAudioData
レンダリングとリファレンスマッチングモジュールワーカー
出力、レポート、リファレンス、チェーン設定のダウンロードローカルブラウザメモリ上の object URL

これらの object URL は、入れ替え時に必ず revoke します。そのため、何度も試してもブラウザでメモリリークが起きにくい設計です。長尺ファイルで処理途中にタブを閉じた場合でも、参照を持ったまま残るリソースを最小限に抑えます。

関連: リペアと入力コントロール、ダイナミクスコントロール、配信ターゲット